認知症在宅ケア
「病気は良くなったので退院は可能です」と主治医から言われたけれど・・・。
足腰も弱ったし、なんだか物忘れもひどく、これで家に帰れるかな??
と、お悩みのご家族は少なからずいらっしゃると思います。
ご安心ください。
定期的な訪問診療を行うことで、ご自宅でも認知症の治療やリハビリが可能です。
ここでは「認知症について」と「当院での取り組みについて」書きたいと思います。
1. 認知症ってなに?
認知症とは、何らかの原因で脳の細胞が死んだり、うまく働かなくなり日常生活に支障を来した状態です。
2. 認知症にはどんな種類がありますか?
認知症の種類には様々なものがありますが、代表的なものとして以下の3種類があります。
- アルツハイマー型認知症
- 脳血管型認知症
- レビー小体型認知症
アルツハイマー型認知症が最も多く全体の67.6%、次いで脳梗塞や脳出血など脳血管障害の結果認知症になった脳血管型認知症が19.5%、認知機能の変動やパーキンソン症状、幻視などの症状がみられるレビー小体型認知症が4.3%、その他の認知症が8.6%となっています。
出典:厚生労働科学研究費補助金 認知症対策総合研究事業「都市部における認知症有病率と認知症の生活機能障害への対応」(平成23年度~平成24年度 総合研究報告書)を基に作成
3. 認知症における中核症状と周辺症状
認知症の症状には、大きく分けて2つあります。
脳細胞が死んでしまったことにより、その細胞が担っていた役割が失われることによって起こる中核症状(物忘れなど認知機能の低下からくる症状)と、中核症状によって引き起こされる二次的な症状である周辺症状(主症状に付随して起こる精神や行動面における症状)です。
4. 認知症の治療は可能ですか?
認知症には
- 認知症の進行を遅らせる薬
- 認知症に伴っておこる症状(不眠、暴言、感情失禁など)に対する薬
があります。
患者さん個々にあった薬を選択し、副作用を見極めながら慎重に投与を行います。
5. 当院の認知症在宅ケアの取り組み
認知症は病院の治療だけで解決することは極めて難しい病気です。また認知症を改善することは現在のところきわめて困難であるため、いかに自分らしい生活を保てるか、家族の負担を軽減し、安心して暮らせるかということが焦点になると思っております。安定していても訪問診療を定期的に行うことにより本人、家族の小さい変化に医療者の視点で気が付くことが可能です。他職種と連携することにより日々の生活の支援を行います。
様々な不安、悩みがあると思いますので一度ご相談ください。