花粉症
アレルギー性鼻炎という病気は聞いたことあると思います。
この病気は季節性アレルギー性鼻炎と通年性アレルギー鼻炎に分けられます。
- 季節性アレルギー性鼻炎
花粉などが原因で、季節により発生するもの
- 通年性アレルギー性鼻炎
ダニ、ペットの毛など季節に関係なく発生するもの
下の図で示した通り、2019年に行われた全国調査では、アレルギー性鼻炎全体の有病率は49.2%、花粉症の有病率は42.5%でした。
つまり、日本国民の2人に1人は何かしらのアレルギー性鼻炎であり、国民病と呼んでもおかしくない病気となっております。
今回は季節性アレルギー性鼻炎の一つ、花粉症についてお話ししたいと思います。
花粉症とはどのような病気ですか?
花粉症とは、植物の花粉が原因となり、かゆみ、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどを起こすアレルギー性鼻炎、結膜炎の一種です。
どのような花粉が原因となりますか?
【表1】主な花粉症の原因植物の花粉飛散例
様々な花粉が原因となりますが、原因としてはスギ花粉が最多で全体の約70%を占めます。
花粉症はどのような症状がありますか?
代表的な症状としては
- 鼻水
- くりかえすくしゃみ
- 鼻閉(鼻づまり)
- 目のかゆみ
の4大症状に加えて
- 皮膚、のどのかゆみ
などが見られます
その症状が原因で頭痛、不眠、イライラ感などが生じ日常生活の質が大きく損なわれます。
どのような治療を行いますか?
まずここでは薬物による対処療法について述べたいと思います
お薬の効果を最大限に発揮するために原因花粉の飛散予想時期より2週間程度前か、花粉症の症状が少しでも出たらお薬の使用を開始します。
まず、症状を分け有効な治療薬を選択していきます。
くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、皮膚・のどのかゆみ
目のかゆみ以外の症状には、まず抗ヒスタミン薬(よく用いられるアレルギーの薬です)を使用します。
現在は様々な種類の薬があり患者さんの慣れているもの(副作用が少ないもの)を選んだり、私から症状に合わせて適切なものを提案させていただきます。
最も大きな副作用は眠気のため内服薬を工夫したり、寝る前に飲んだりと生活の阻害にならぬよう処方させていただきます(眠気の強弱は効果には比例しません)。
これに加え、抗ロイコトリエン拮抗薬を追加する場合もあります。
鼻の症状(鼻水、鼻づまり)の強い方には点鼻ステロイド(鼻スプレー)の併用をお勧めします。ステロイドといっても鼻に対しての局所投与であるため副作用は少なく、毎日使用することにより症状が軽減します。どの飲み薬を使用しても眠気などで継続できない場合は鼻スプレーの使用のみで対応する場合もあります。
目のかゆみ
目の症状には内服薬はあまり効果がなく、点眼薬を使用します。
コンタクトレンズを使用していても使えるものもあるのでご相談ください。
お伝えしたいこと
花粉症は国民病ともいえる病気です。
患者さんめいめいの病気に対する理解が進み現在では市販薬、ご自身で対策を行うというセルフケアの概念が進んでおります。
当院では患者さんの希望に沿いながらも正しい知識をお伝えし、さらに良い治療ができるように提案させていただきます。検査としてアレルギーの原因物質の特定、治療として舌下免疫療法の提案も可能です。
いろいろ花粉症に関してお悩みの方、一度当院にご相談していただければと思います。
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