慢性腎臓病
健康診断などの検査で
- 蛋白尿(尿検査)
- 血尿の存在(尿検査)
- クレアチニン値の異常(採血)
を指摘されている方はいらっしゃいませんか?
これらは腎臓の機能低下のサインかもしれません。
ここでは慢性腎臓病についてお話させていただきます。
慢性腎臓病(CKD chronic kidney disease)とは
慢性腎臓病とは、腎臓の働きが健康な人の60%未満に低下する、もしくは、蛋白尿が出るといった腎臓の異常が続く状態をいいます。
成人の8人に1人(約1,330万人)が慢性腎臓病で、高齢になるにしたがって増えてきます。
心筋梗塞、脳梗塞などの心血管疾患のリスクが上昇することが知られております。
言い換えれば腎臓の機能を守ることは、心臓、脳を守ることにつながります。
慢性腎臓病と病気の進行度
【表1】慢性腎臓病(CKD)の重症度分類(CKD診療ガイド2012)
引用:日本腎臓学会. CKD診療ガイド2018 より
どのような症状、検査値の異常がおこりますか?
- 症状
血尿、むくみ、尿が泡立つ、息切れ、倦怠感など
- 尿検査の異常
蛋白尿、潜血陽性、尿NAG高値、尿β2MG高値など
- 血液検査異常
貧血、尿素窒素高値、クレアチニン高値、電解質の異常など
腎臓病とはどんなものがあり、どのような治療をしますか?
糖尿病性腎症
糖尿病が原因で腎機能低下が起こる病気です。
当院では糖尿病のコントロールを良好に保つことはもちろんのこと、定期的に尿検査を行い尿蛋白が出ていないかの評価を行います。
慢性腎炎
腎臓の糸球体という部分が炎症を起こし蛋白尿、血尿が持続する状態です。
放置すると腎機能が廃絶してしまう可能性もあります。
精密検査を行い悪くならないよう薬物導入、生活指導を行います。
腎硬化症
高血圧、脂質異常症などの生活習慣病により腎臓の血管に動脈硬化が起こることにより発症するものです。
生活習慣病をコントロールすることにより治療します。
また定期的な尿検査、採血検査で腎臓の状態を評価します。
お伝えしたいこと
受診時の腎臓の状況はどのようなものか適切に評価させていただき、生活習慣のアドバイス、薬物療法の導入を行わせていただきます。定期的に評価し、適切に対応することにより腎臓を守ることが可能です。早期に発見し、治療することにより寛解する場合もあります。健康診断で尿所見異常(蛋白尿、血尿)や腎機能障害を指摘された方はどうぞご相談ください。