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糖尿病

今や国民病ともいわれる糖尿病、日本には2000万人以上の患者さんがいると言われております。

聞いたことはあるけど実はどんな病気なのかよく分からない方は多いのではないでしょうか。

ここでは糖尿病についてわかりやすく解説したいと思います。

  1.  糖尿病とは?
  2.  糖尿病の種類
  3.  糖尿病になるとどんな症状があるの?
  4.  糖尿病の診断方法は?
  5.  糖尿病の治療法は?
  6.  当院からお伝えしたいこと

1. 糖尿病とは?

インスリンという血糖を下げるホルモンが十分に働かないために、血液中のブドウ糖が増えてしまう病気です。

重症になると尿に糖があふれ甘い匂いがすることから、「糖尿病」と名付けられています。

2. 糖尿病の種類

糖尿病は以下の2つのタイプに分けられます。

1型糖尿病

何らかの原因で膵臓がインスリンホルモンを出す力がなくなることにより、血糖値が高くなります。1型糖尿病は、注射でインスリンを補う治療が必須となります。

2型糖尿病

日本人の糖尿病の95%はこちらのタイプです。
インスリンを出す力が弱くなったり、効果が低下したりすることにより、血糖値が高くなります。
その原因は遺伝的要素に加え、食べ過ぎ、運動不足、ストレスなどの生活習慣が影響します。

 

表1:1型糖尿病と2型糖尿病の特徴
  1型 2型
発症
年齢
若年に多い(ただし何歳でも発症する) 中高年に多い
症状 急激に症状が現れて、糖尿病になることが多い 症状が現れないこともあり、気が付かないうちに進行する
体型 やせ型の方が多い 肥満の方が多いが、やせ型の方もいる
原因 膵臓でインスリンを作るβ細胞という細胞が壊れてしまうため、インスリンが膵臓からほとんど出なくなり、血糖値が高くなる 生活習慣や遺伝的な影響により、インスリンが出にくくなったり、インスリンが効きにくくなったりして血糖値が高くなる
治療 インスリンの注射 食事療法・運動療法、飲み薬、場合によってはインスリンなどの注射を使う

 

3. 糖尿病になるとどんな症状があるの? 

主な症状として、

・糖尿病の初期の症状は喉が渇く(口喝
・水を沢山のむ(多飲
・おしっこの回数が増える(多尿

の3つがあります。

これは血中のブドウ糖の濃度を下げようとする自己防衛機能です。

その他目立った症状は無く、無治療の場合は進行し、体中の小さな血管を障害したり、大きな血管に動脈硬化を起こします。

4. 糖尿病の診断方法は?

血糖値の測定、75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)、HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)の測定結果から、下記①、②のいずれかに当てはまる場合に「糖尿病型」と診断されます。

同じ検査を再度行い、2回目の結果も同様であった場合に、糖尿病と診断されます。

※75gOGTTとは、空腹状態から75gのブドウ糖を摂取し、30分後、60分後、120分後に採血を行い血糖値の下がり方をみる試験です。インスリンの分泌が正常な場合は120分後に140mg/dL未満まで下がります。

早朝空腹時血糖値:126mg/dL以上
または
75gOGTT 2時間値:200mg/dL以上
または
随時血糖値:200mg/dL以上
HbA1c:6.5%以上
↓↓↓
①か②いずれかに当てはまる場合に「糖尿病型」と診断

別日に同じ検査で同様の結果であった場合に「糖尿病」と診断
  • 空腹時血糖値が110mg/dL未満で、75gOGTTが140mg/dL未満であれば、「正常型」と判定されます*。ただし、①、②を同時測定し、ともに糖尿病型であることが確認されれば、初回検査のみで糖尿病と診断できます。
    * 初回、再検査の少なくとも一方で必ず①を満たしていることが必要で、②のみの反復検査による診断はできません。

  • 「糖尿病型」でも「正常型」でもない血糖値であった場合、「境界型」いわゆる「糖尿病予備軍」と診断されます。糖尿病に進行しないよう生活習慣の改善など、主治医の指導にしたがいましょう。


参考:日本糖尿病学会 編・著:糖尿病治療ガイド 2020-2021, p.24-30, 文光堂,2020より改変

5. 糖尿病の治療法は?

糖尿病の治療方法には生活習慣の改善と薬物療法を行います。
生活習慣の改善には運動療法と食事療法が含まれます。

運動療法

運動を行うことはすべての生活習慣病にいい影響を与えます。

ジョギング、ウオーキングなどの有酸素運動に加えて、腹筋などの筋力トレーニングを行うと効果的です。無理はせず週一回30分から初めていければよいと考えております。

食事療法

なんといっても糖尿病の治療において食事療法は最重要です。体重をコントロールし、バランスよく栄養を取ることによりかなりの効果を得ることができます。

薬物療法

その人の年齢、体の状態、糖尿病の程度に合わせて内服薬、注射薬の選択を行います。目標のコントロールに向けて徐々に薬剤を変更します。

 

6. 当院からお伝えしたいこと

この記事を読んでいらっしゃるということは「糖尿病の疑い」と言われたり、もしかしたら自分もそうなのではと思われているかたかもしれません。

糖尿病の治療薬は日々劇的に進歩しております。糖尿病になるとインスリン注射を一生行わなくてはいけないというイメージがあると思いますがそんなことはありません。

適切な飲み薬、生活習慣の改善を組み合わせることにより以前と比較してインスリンの導入率は減少しております。

しかし治療を先延ばしにすれば治療が複雑になったり、合併症が深刻になっているかもしれません。早めに病院に相談していただくと早期の対応ができるので少しでも疑問のある方は一度受診をお勧めします。

当院では丁寧に糖尿病を評価、説明を行い、適切な検査(胸部レントゲン、心電図、脈波検査、エコー検査)を行える体制が整っております。

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