脂肪肝
健康診断やかかりつけで定期的に行う採血で「脂肪肝の可能性がありますね」と言われたことはありませんか?
「脂肪肝」といわれたものの、「痩せましょうね」「食事に気をつけましょうね」と言われたきり放置となっていませんか?
ここでは生活習慣病の1つである脂肪肝について解説したいと思います。
脂肪肝とはどのような病気ですか?
脂肪肝とは余分な糖質、脂質が中性脂肪に変わり肝臓に蓄積された状態です。
近年、生活習慣の欧米化に伴い、脂肪肝の患者さんは増加傾向です。
メタボリック症候群と合併し、動脈硬化の原因となります。
成人男性の40%が脂肪肝であると言われております。
脂肪肝にはどんな症状がありますか?
厄介なことに肝臓は他の臓器と比較し症状が出にくい臓器であることが知られております。
脂肪肝が進行し、肝炎、肝硬変になることが知られております。
上述した通り動脈硬化の原因となる病気のため注意が必要です。
脂肪肝の原因は何ですか?
アルコールが原因となる『アルコール性脂肪肝』とアルコール以外のもの(食べ過ぎ、運動不足)によるもの『非アルコール性脂肪肝(NAFLD)』
があります。
肝臓の病気というとアルコールが原因と考えがちですが、近年はアルコール以外が原因の場合が増えており、注意が必要です。
どのような検査を行いますか?
血液検査の結果で疑いがある場合は腹部エコー検査、腹部CTを行い診断します。
脂肪肝が疑われる血液検査所見
- TG(中性脂肪):上昇
- GOT(AST)・GPT(ALT):両方上昇しているが、GPT(ALT)の方が高い
脂肪肝を放置した場合はどうなりますか?
脂肪肝は放置した場合、脂肪肝炎、肝硬変、肝がんへと進行していくことが知られております。
アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪肝、それぞれ以下のように進行します。
アルコール性脂肪肝
アルコール性脂肪肝炎(ASH)、肝硬変、肝がんへ進行します。
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)
非アルコール性脂肪肝(NAFLD)は二つに分けられます。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
炎症が進むと肝硬変、肝がんへと進みます。
単純性脂肪肝
肝臓に脂肪が蓄積した状態で注意が必要です。
どのような治療を行いますか?
基本は生活習慣の見直し・改善です。
- 節酒、バランスの取れた食事
- 運動習慣を取り入れる
どの生活習慣病にも共通した対応が求められます。
お伝えしたいこと
脂肪肝は症状が無い場合が多く、多数の疾患を合併する可能性があります。
初期に対応した場合は速やかに改善が可能です。
当院の腹部エコーは、肝臓の脂肪化を数値で表す機能も備えております。
生活習慣を改善し、それに合わせて腹部エコーを行うことにより自身の達成度がわかります。
健康診断で肝機能異常が指摘された方一度ご相談ください。