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全身倦怠感

ここ最近なんとなく調子が悪い、元気が出ない、食欲がないなどの「倦怠感」がある方はいらっしゃいませんか?

外来にこのような症状のため受診される方は少なくありません。

なかなか診断の難しい全身倦怠感について当院でどのように診察を行っているか解説させていただきます。

 

倦怠感の分類

患者さんの訴える倦怠感は様々な状態を指しており、正確に分類することが困難な場合があります。

そのため下表を用いて頭の中を整理し、分類します。

【表1】倦怠感のカテゴリー分類
エネルギー不足 通常の活動を妨げる身体的・精神的エネルギーの主観的不足
眠気増加 日中の覚醒を維持できない状態
筋力低下 筋力の低下によって日常の身体活動に影響が出ている状態

参考文献:Bodkin CL, et al: Office evaluation of the "tired" or "sleepy" patient. Semin Neurol, 31 (1): 42-53, 2011. (PMID: 21321832)
 

倦怠感についての診察

倦怠感というのは非常に漠然とした主観的な症状です。

そのため問診の際に、倦怠感に加えどのような症状があるか、注意深く問診するようにしております。

また、症状の他

  • 血圧
  • 脈拍
  • 呼吸数
  • 酸素飽和度
  • 身体所見

なども注意深く評価しております。

 

倦怠感の検査

倦怠感の原因を検査する際、採血は必須と考えております。
また、一般的に行う採血項目より、様々な項目が必要となる場合が多いです。

  • 貧血の評価
  • 白血球の構成
  • 血小板数

上記に加え、

  • 血糖
  • カルシウム
  • 電解質
  • 肝機能
  • 腎機能
  • 甲状腺刺激ホルモン

などの測定を行います。

それ以外に必要に応じて

  • 胸部レントゲン
  • 超音波検査
  • 心電図検査

を追加しております。

 

具体的にはどのような疾患が考えられますか?

など様々な疾患が候補にあがります。

 

それでも診断がつかない場合は?

倦怠感は少なからずはっきりとした原因がわからない場合が少なくありません。

生命にかかわる重大疾患がないことを確認し、精神的原因、社会的原因、睡眠の問題などを探りながら外来で経過を見る場合もあります。

 

お伝えしたいこと

倦怠感は重大な病気のサインである可能性があります。

問診、身体診察に加えクリニックで行える検査で様々な病気を見つけることができます。

なんとなく体の調子がおかしい、寝ても疲れがとれないなどの症状のある方一度ご来院ください。

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