甲状腺機能低下症
最近なんとなく怠さがある、冷え性である、倦怠感、うつ症状などなんとなく元気のなくなってきたなどの症状の方はいらっしゃいませんか?
それは甲状腺ホルモンが減るために起こる病気―甲状腺機能低下症―かもしれません。
ここでは甲状腺機能低下症についてお話ししたいと思います。
甲状腺機能低下症とは
甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンが不足する病気です。
代表的な病気に慢性甲状腺炎(橋本病)があり、バセドウ病とは正反対の病気です。
慢性甲状腺炎(橋本病)とはどのような症状がありますか
✔ 気力低下
✔ 食欲低下
✔ 体のむくみ
✔ 声のかすれ
✔ 集中力の低下
✔ 皮膚のかさつき
✔ 体の冷え
✔ うつ症状
✔ 首が腫れてきた(慢性的な甲状腺の炎症のため)
などの多彩な症状を起こします(体、心の元気のなくなる症状がでます)。
また放置した場合は高コレステロール血症の原因などになり動脈硬化を招くこともある軽視できない病気です。
慢性甲状腺炎(橋本病)の原因は何ですか?
甲状腺に慢性的な炎症が起きる病気です。甲状腺を傷害する物質を体が作り、甲状腺ホルモンの生産能力を低下させることにより起こります。
甲状腺機能低下症の検査と診断
採血検査にて
- 甲状腺ホルモンの測定(測定値の低下)
- 甲状腺刺激ホルモンの測定(測定値の上昇)
- 抗サイログロブリン抗体
- 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体の測定
甲状腺エコー検査にて
甲状腺の腫れ、腫瘍性病変の有無を評価します。
慢性甲状腺炎であれば甲状腺内部が不均一となり、エコーレベルの低下を認めます。
採血検査、エコー検査などの結果を総合的に判断します。
甲状腺機能低下症の治療
甲状腺ホルモンを補充する薬物療法が主体となります。
甲状腺刺激ホルモン値を指標に薬物のコントロールを行います。
お伝えしたいこと
甲状腺機能低下症は亢進症の場合と同じく疑わなければ診断できない病気の一つです。
「うつ病の症状かな?」、「更年期障害の症状かな?」と悩まれている方、原因は甲状腺機能低下症にともなうものかもしれません。一度ご相談ください。