健康診断でコレステロールが高いと言われた!?
健康診断で「コレステロールが高いですね」と言われたことはありませんか?
コレステロール値が正常の範囲外となり、
「要経過観察」や「要再検査」という結果が出ても、特に自覚症状もなく「まあいいや」と放置している方も少なくないと思います。
一体「コレステロールが高い」ってどういうことなのでしょう??
今回は脂質異常症(高コレステロール血症)の定義や、用語について解説したいと思います。
脂質異常症の診断基準は?
最初に脂質異常症の診断基準を示させていただきます。
LDLコレステロール (悪玉コレステロール) |
140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
---|---|---|
120~139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症 | |
HDLコレステロール (善玉コレステロール) |
40mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
トリグリセライド (中性脂肪) |
150mg/dL以上 (空腹時採血) |
高トリグリセライド血症 |
175mg/dL以上 (随時採血) |
||
Non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
150~169mg/dL | 境界域高non-HDLコレステロール血症 |
出典:厚生労働省 e-ヘルスネット
上記のいずれか一つを満たせば脂質異常症と診断されます。
そもそもコレステロールの体内での役割は?
どうやって作られるの?
悪者のように敵視されているコレステロールですが体にとっては不可欠なものです。
コレステロールは細胞膜、ステロイドホルモン、胆汁酸、ビタミンDを作る働きをしています。
2~3割は食事で摂取、残りは糖や中性脂肪を原料として肝臓などで合成され、その量は一定になるように体内で保たれています。
では次に、それぞれの用語について解説していきます。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)とは?
LDLは全身にコレステロールを運ぶたんぱく質の乗り物です。
肝臓から全身にコレステロールを運び、余ったものは血管に入り込み動脈硬化の原因となります(そのため悪玉コレステロールと呼ばれます)。
HDLコレステロール(善玉コレステロール)とは?
HDLはLDLとは逆で、全身からコレステロールを肝臓に運んでくる乗り物です。
全身で余ったコレステロール、血管についたコレステロールを回収し全身の動脈硬化を抑制する働きがあります(そのため善玉コレステロールと呼ばれています)。
中性脂肪とは?
中性脂肪は、運動を行う時のエネルギーとして使われたり、体温を一定に保つなどの役割をしています。
過剰に増えると皮下脂肪、内臓脂肪として蓄えられ動脈硬化の原因となります。
non-HDLコレステロールとは?
総コレステロールからHDLコレステロールの値を引いたもの。
LDLコレステロールを含めたすべての悪玉(動脈硬化のリスクとなるコレステロール)の量を含んでいる値です。
今回は脂質異常症の定義、その用語の解説をさせていただきました。
次回はそれぞれのコレステロールの目標値、治療方法についてお話させていただきます。