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コレステロールの治療目標値と治療方法

[2023.03.29]

今日は、前回の続きで「コレステロールの治療目標値と治療方法」についてお話ししたいと思います。

 

なぜコレステロール値を下げなければいけないか?

 

コレステロール値を下げる最大の目的は、動脈硬化を今以上に進行させないことです。

コレステロール値を下げることにより、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞の発症、再発を予防します。

コレステロールの目指す値は?

では、具体的にどれくらいの数値を目指せばよいのでしょうか?

下表はリスク区分別の脂質管理目標値の表です。

同じコレステロール値でも、疾患の有無によりリスク区分が分類されており、目指す数値が変わってきます。

  • 二次予防
    動脈硬化性の疾患にかかったことのある人の目標数値

  • 一次予防
    動脈硬化性の疾患(狭心症、心筋梗塞など)がない人のコレステロールの目標値。
    年齢、性別、糖尿病、腎臓病、足の動脈硬化の病気の有無によりリスク分類します。

    例えば、以下の場合は「高リスク」に該当します。
    糖尿病(耐糖能異常は含まない)、慢性腎臓病(CKD)、非心原性脳梗塞、抹消動脈疾患(PAD)のいずれかがある場合 → 高リスク

    上記の疾患に該当しない人も、年齢や喫煙の有無、高血圧等の危険因子の数により「高リスク」「中リスク」「低リスク」とリスク分類されています。
    (ややこしいので、気になる方は是非ご相談ください。)

【表1】リスク区分別脂質管理目標値
治療方針の原則 管理区分 脂質管理目標値(mg/dL)

LDL-C
悪玉
コレステロール

Non-HDL-C

TG
(中性脂肪)

HDL-C
善玉
コレステロール

一次予防
まず生活習慣の改善を行った後、薬物療法の適用を考慮する
低リスク <160 <190

<150
(空腹時)
<170
(随時)

≧40
中リスク <140 <170
高リスク <120
(<100)*

<150
(<130)*

二次予防
生活習慣の是正とともに薬物治療を考慮する
冠動脈疾患の既往 <100
(<70)*
<130
(<100)*

*家族性高コレステロール血症、急性冠症候群の時に考慮する。糖尿病でもほかのリスク病態(非心原性脳梗塞、抹消動脈疾患、メタボリックシンドローム、主要危険因子の重複、喫煙)を合併するときはこれに準ずる。
出典:日本動脈硬化学会(編): 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版. 

 

コレステロールを下げるには?

薬物治療生活習慣の改善を併用します。

  • 一次予防の方
    まず生活習慣を改善し、目標に届かない場合は薬物療法の追加します。

  • 二次予防の方
    薬物療法と生活習慣の改善を同時に開始します。


今回は簡単にコレステロールの治療目標値、治療方法について簡単に書いてみました。

動脈硬化に関わるコレステロールに関して今後も掘り下げて書いていくつもりです。
楽しみにしていただけると嬉しいです。

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